病気になってものまない薬:抗生物質
風邪をひいたから抗生物質をもらおうと考えて医者にかかったことのある人もいるだろう。
これについて、谷口先生は警鐘を鳴らす。 「抗生物質は結核菌などの細菌を殺す抗菌薬の一種。あくまで細菌にしか効きません。
風邪などのウイルスには一切効果がないのです。 抗生物質が必要なのは、40℃以上の発熱があって肺炎を起こしているなどの重症の細菌感染を起こしたときだけ。
ちなみに私が医師になってからの約20年で抗生物質を使ったのは、たった3回です」 抗生物質をとりあえず服用して様子を見てはいけないのだろうか。
「抗生物質を使えばその作用は全身に行き渡り、腸内や、女性だと膣内の細菌叢ががらりとかわってしまいます。軽症の細菌感染なら、自然治癒力に期待して抗生物質を使わないほうが賢明です」(谷口先生)
寺田先生も同じく、抗生物質のむやみな使用は控えるべきと主張する。
「抗生物質は特に善玉菌を殺し、腸内環境を荒らします。
多くの場合、使う必要のない薬なのに、何でもかんでも抗生物質の処方を希望する患者さんが多いです。
医師もメリットとデメリットを考えて、必要最低限の処方をしなくてはなりません」 この使い方、意味ありません! ・風邪に抗生物質 ・インフルエンザに抗生物質 ・ノロウイルスに抗生物質