病気になってものまない薬:コレステロールの薬
多くの中高年の心配のタネとなっている、コレステロール値。
しかし、寺田先生によると、健康診断などで使われるコレステロール値の基準自体がそもそも疑問だという。
「LDLコレステロールの値を下げるスタチン系の薬をのむのは避けたいですね。LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれますが、胆汁酸やホルモン、ビタミンDなどの大事な原料になるからです。
実際、アメリカでは2015年にLDLコレステロール値の上限が撤廃されています。
日本では140mg/dL以上で脂質異常症と診断されますが、私は高齢や持病などのリスクのある患者さんを除いて、160~170mg/dL程度を上限値に設定しています」 水上先生も、寺田先生の意見にうなずく。
「ある日本人の追跡調査によると、総コレステロールが250mg/dL程度がいちばん長生きだったという結果も出ています。なので、私だったら抗コレステロール薬はのみたくないですね」
病気になってものまない薬:糖尿病の薬
糖尿病の患者数は、予備群も含めると1000万人を超えるともいわれている。
身近な病気なので、薬を常用する人も少なくない。 「糖尿病薬の中でも、血糖を下げるインスリンというホルモンを膵臓から分泌しやすくするSU剤という薬は、安価で血糖値も下がりやすいといわれます。
一方、強い空腹感に襲われるため肥満につながる場合も。
また、膵臓を雑巾のようにギュッと絞ってインスリンを出させる働きがあるため、長期間の服用で膵臓がボロ雑巾のようになってしまう可能性もあります。
もともと糖尿病で過労状態の膵臓に、さらにムチを打つようなことになるからです」(寺田先生) では、血糖値が高くて何らかの薬をのむ必要に迫られたときには、どんな薬をのめばいいのだろうか。
「GLP-1製剤はわりといいですが、ひどい吐き気と食欲不振に襲われることも。糖を尿とともに出すSGLT-2阻害剤は、膵臓への負担も少ないので、私ならそちらをのみたいですね」(寺田先生)