お客さんによく、ラジオ体操は身体に良いですか?
と聞かれます。。
僕はいつも言います。
何もしないでこたつに入っているよりは良いが、ラジオ体操は、人体原理が分かっていない人が、全身の筋肉をくまなく動かせば良いのだろう。。
という発想でできているので、やり過ぎると、身体の統一性を壊すからやめといて。。
では、僕が言う、身体の統一性とはなんだろう。。
下の写真を見て欲しい。。
人間で言うところの、丁度丹田、下腹の位置に、重りが入っているのが、起き上がりこぼしです。
起き上がりこぼしは、揺らしても必ず中心に戻る。。
右に倒せば、倒した側から、左に戻ろうとする力が働く。。
その力が働かなければ、右に強く押せば、右に倒れてしまう。。
また、倒れてからでは自分で起き上がる事ができない。。
しかし、丹田に重りがある起き上がりこぼしは、寝かせても必ず起き上がる。。
何故なら、倒れる前に、既に戻ろうとする力が働いているから。。
実は、人体も同じであって、下腹に重心が落ちている人は、どの様に動いても、起き上がりこぼしの様な力を感じて動いています。
その力が働いている人は、どんなに動いても、頭が水平を保つ。。
プロのスポーツ選手がそうです。
僕も、朝と夕方、中心体操という、体を統一させて動く体操をしますが、右に体重を乗せた側から、下腹は左へ移動しようとします。。
右に体重を乗せ切る事はできません。。
メビウスの輪の様です。
身体運動は実は無限♾運動です。。
重力と連携しながら、身体は、筋肉に頼らず、転ばない仕組み。。起き上がりこぼし作用があるのです。
ラジオ体操はそれに気づいていない体操で、右なら右に体重を乗せきる。。そして筋力で反動で、左に体重を乗せ替える。。動きと動きの間に、無限♾の滑らかさが無く、不自然な力み、反動、タメ、捻りが生じます。
呼吸も同様です。
伝統空手では、呼吸を、吐くでもなく、吸うでもない呼吸をしなさい。。と言います。
吐くの?吸うの?どっち。。
呼吸も無限♾の起き上がりこぼしです。
吐いて吸うという、相対的な呼吸ではなく、一つなのです。
これは人生もそうだし、毎日の生活もそうです。
私達は、始まりも終わりもない。メビウスの輪、、無限♾の起き上がりこぼし。。常に宇宙の中心に帰属しようとする働きの中で生かされています。
過去があって未来があるのではありません。。
常に今。。という中心に帰属しようと働き、動き続けているのです。
禅の世界での書画。。円相というのは、禅僧が、始まりもなければ終わりもない円の中で生かされている事を感得した様子が描かれています。
円相とは
円相は上記で説明した禅(禅宗)における書画の一つです。
円相は図形の円を一筆で書き上げたもので、開始転、終了店の無い、つながりのある円として表現されています。
円は欠けることのない無限を表したり、全てが始まりでもあり終わりでもあり、悟りや心理、宇宙全体などをこの円相が表現しているといわれています。