恩を仇で返す。。という 言葉があります。
日本人というのは義理堅く、して頂いた事に対して、お返ししたい。。あるいはしなければ不義理である。。という思想があります。。
もちろん大事なことです。。日本人らしい。。義理堅いのです。
しかし、して頂いた優しさを、その人に返す。。という事では、その二人の世界で完結してしまう。。また、して頂いていない人には、優しくする必要がない。。という思考にもなります。。世の中そうなってますね?
僕は、優しさはまわし向けるもの。。と思っています。
例えば、こうしてブログを書いているのも、こういう事を教えてくれた師匠がいた訳です。。その人との出会いで、人生が変わった。
恩人です。。
だからと言って、いつまでも、そこに囚われているのではなく、教わった事を、また周りの必要としている人に、共有していく。。そしてまたその人が、周りの必要としてる人に共有していく。。これが大事だと思っています。。これが本当の恩返しです。
その師匠は、「教わった事を、人に教えられてこそ、解った事になる。。必ず、そういう場を持ちなさい。。」と、言われました。。
20年前ぐらいの話です。。ある会社に勤めていました。。そして辞める意思を伝えて、半年後に退職できる事に決まっていました。。それがあと2ヶ月の事です。
そんな時、新入社員の男の子、大学を出たばかりです。。
入社してまもなく、仕事が合わず鬱になってしまいました。。
上司に辞めたい。。と告げていましたが、逆に怒られていました。。
他の先輩達も励まして続けさせようとしていましたが、元、鬱の私には解るのです。
もう無理だ。。限界だと。。気持ちが戻る事はないと。。
そこで、上司に、私が辞めるのを辞めるから、あの子を辞めさせてやってくれ。。
と、お願いし、それが通り、その子は辞めることができました。。
その子は、地方の子で、地元に戻ることになりました。。暫く、心のリハビリです。
その子は、「川村さんに、感謝してます。。だけど何もお返しできない。。申し訳ない気持ちです。。」と言われました。
僕は、「俺も、先輩に救って貰った事があるんだよ。君も、俺の事はいいから、もし、自分の後輩で困っている子がいたら、今回の事を思い出して、助けてやれ!」
と言いました。。カッコよすぎですが、私はそういう考えです。
して頂いた優しさを回向する。。そうすれば優しさが拡まっていく。
何かをしてくれた人にしか、優しくしないでは、おかしいわけです。
その考え方は、派閥を生みます。敵が生まれます。
敵に塩を贈る。。上杉謙信さんの優しさは大したものです。。
敵であっても、困っている人には力を貸す。。
して頂いでない人にも、優しさを施す。。これでしょう!