心が風邪をひいたなら

川村整体ブログ 

廃墟と発散スイッチ

昔、野球のオールスターゲームで、近鉄の高村投手が、松井秀喜に投じた速球を、ものの見事に特大ホームランを打たれた時の、インタビューが面白かった。

「あそこまで、飛ばされると、逆に気持ちいい」

なんとなく解りますよね。。普通は悔しいものです。

人間というのは、執着を持っています。。それは放した方が本当は、生命が軽くなり、活性化するのですが、なかなかできません。。

手放さざるおえない様な、非日常的体験によって手放し、発散できるのです。。

 

ですから、ホームラン打たれたくない。。という気持ちで投げ込んだ速球が、ゴジラ松井に、見たことないぐらい飛ばされて、一気に執着が離れて、発散し、快感となるのです。。

 

これは、はっきり言われて、逆に気持ちいい。。というのも同じですね。。

タレントでも、はっきり物を言う人は、見てて気持ちいい感じがする場合があります。

マツコデラックスとか、上沼恵美子とか。。歯に絹着せぬ対応です。。

 

坂口安吾という作家の小説の中にも、同じような話がありました。。

高校生の時に読んだのですが、「東京の焼け野原を見た時、かえって気持ちいい感じがした。。」みたいな話でした。。

 

廃墟ブームや、工場プラントの夜景を見に行くブームなどは、その景色が、発散装置になっているのだと思います。。

色気のない。。水墨画の様な世界を感じるのではないでしょうか?

色気を出す。。という言葉は、欲をかく。。ということです。

欲をかきようのない、姿、景色が、発散を促す。。それが気持ちいいのでしょう!

 

焼け野原や、震災後の廃墟、工場プラントには、執着を手放なすしかない。。また執着を持ちようのない景色。。何もない。。どうしようもない。。何から手をつけていいのかもわからない。そういう場面で、人は、執着を手放せるのです。。それが気持ちいいのです。

お手上げ状態です。。これは脱力なのです。。現代人は脱力できないのです。

 

手につけようがあれば、すぐ作業を始めるのです。発散ではなく、集中です。

 

縁起の悪い話だと怒られそうですが、若者が、震災後に廃墟に、ボランティアに行く理由の一つに、何故か、発散できる。気持ちがいい。。というのがあると思います。

 

これが、今回のコロナウイルスによる、見たこともない様なキャンセルの嵐。。

どうしようもない。。手のつけようもない中で、中には、特大ホームランを打たれた時の様に、執着を手放せるチャンスにもなり得ると思います。。

ここまでキャンセル入れられると、逆に気持ちいい。。という人もいるのではないでしょうか? もちろん経営上の不安はありますけど。。

 

きっと、見た事もない。。倒産件数を見る事になるでしょう。。

ある種の、焼け野原を見ることになるでしょう。。

 

しかし、そこで、今までの執着を手放し、リセットし、新しい価値観によって、やり直せるチャンスかもしれない。。

新しい日本が始まるかもしれませんね。