事業などでは、毎年売り上げが、または利益が、右肩上がりで上がっている事が、順調に成長している証として、判断されます。
しかし、我々人間の成長においては、右肩上がりの様に、順調に思い通りに進んでいるかと思えば、また、逆戻りした様な事も起こり、落胆する。。
整体の世界でもそうで、痛みがなくなる。。という事だけに目標をおけば、順調に痛みが減って来た。。と、喜んでいると、また同じところが痛くなって、落胆し、「先生、また元に戻っちゃったんですかねえ？」と、力ない声で、問いかけて来ます。
無理もないのです。。そう思ってしまうのは。。
しかし、毎回全身を検査しながら、整体をしている私自身は解っているわけです。
同じ場所が痛くなったからと言って、元に戻ったのではなく、人間の身体とは、螺旋階段の様に、良くなっていくのです。
だから元に戻った様に感じます。
歴史は繰り返す。。という 言葉がありますが、何回も同じ事を繰り返しながら、精度を上げていく。。という感じです。
包丁を研ぐ事をイメージしてみてください。。あーやって同じ所を何回も研磨しながら、精度を上げていく。。一度往復しただけでは研磨できません。
研磨した所を、覗き込んで、うーん、綺麗になって来た。。だけどまだまだだからと、砥石に水をかけ綺麗にして、もう一度研ぎ出します。。そういう感じです。
これは心の問題でも同様で、当院には、メンタルに問題を持ったお客さんが、よく来店しますが、最初のうちは、凄く気分が楽になって、このままノイローゼが、治ってしまうのではないか？ と、過度に期待してしまうのです。
ですから、私はいつも、螺旋階段の様に良くなっていくから、場合によっては、当院に来る前よりも、苦しくなる場合もあるけど、それも螺旋階段だと信じて受け入れてください。。と、伝えています。
僕の場合は、良くなっていく過程で、人間嫌いになり、外に出れなくなった時期がありました。。人間の欲望が凄く見えきてて、醜く感じたのです。そうやって、自分の中の欲望を清算し、消すという経過だった訳です。。
人生における日常も同じです。。
右肩上がりに、順調に自分の思い通りになる事が、幸福だという間違った思考が、落胆を産むのです。
右肩上がりじゃなくて、螺旋階段。。螺旋階段の、今は日陰側を、昇っているんだ。。
日向と、日陰が交互に来る。。じゃあ確かに昇ってるんだな。
夜明け前が一番暗いと言います。
螺旋階段の様に、日向側を登る時と、日陰側を歩く時があるのです。。
屋上に行けば、日陰はないのです。。
１日も、昼と夜があります。夜があれば、朝が必ず来ます。
迷っている時が、一番成長している時間だと、言います。
決して、ムダな時間ではないのです。螺旋階段ですから。。
