心が風邪をひいたなら

川村整体ブログ 

畳の目を数えるとは

伝説の天才整体師、野口晴哉さんの逸話で好きな話があるんです。

お弟子さんが、「師匠、お客さんが集まらないんですけど、どうしたら良いですか?」

と聞くと、「畳の目を数えなさい」

と、言ったと言うんです。

それでお弟子さんが、毎日畳の目を数えていたら、お客さんが集まるようになった。。と言う逸話です。

 

皆さんは、この話から何を感じたでしょうか?

では何故、畳の目を数えると、人が集まるのでしょうか?

 

簡単に言うと、子犬がいたら、または赤ちゃんがいたら、勝手に人が集まるんじゃないですか?。

人でも、やたらいつも周りに人が集まっている人がいますよね?

あの人の周りにはいつも人がいる。。

何故、人が集まるのかというと、赤ちゃんも、子犬も、無為自然だからです。

無為自然とは、あーしてやろう、こうしてやろうという打算なく、目標も目的もなく、今、ココを、何の為でもない、無為自然な心、行動を取っているから。。

無為自然な人は、力んでもいないし、裏表もない。。ゆったりと呼吸が深く、明るい場合が多んです。

人は本能的に、自分より無為自然で、力み、構えの無い、呼吸の深い人に惹かれる性質を持っています。。

無意識に、自分も、無為自然で、呼吸の深い、無為自然な自分。。。

背伸びしない原寸大の自分で生きていきたいという本能がある。。

 

だから、それをやってる人のそばにいると、あくびが移るように、自分もゆったりと、自然な自分に戻れる。。それが気持ち良いのです。

私達は、一方で、負けたく無い気持ち、勝ちたい気持ちが強い程勝てるんだ。。

と言う考えを持っています。。

それも競争に勝つ。。と言う目的のもとでは成り立つでしょう。。

そして、それで結果を出した凄い人には人が集まるでしょう。。

特に自分も凄い人になりたいと、思っている人はね。。

しかし、その負けず嫌いの塊で人生を送って来た人は、本当に自然な自分で生きて来たと言えるでしょうか?

結果さえ出せば、評価されるんだ。。と、自然な自分を封印して、負けない人生を全うしてしまうのです。

 

しかし、例えば、ボクシング🥊の世界チャンピオンがよく言います。

世界チャンピオンでなくなったら、周りの人がいなくなった。。

そう。。世界チャンピオンに集まっていた人は、世界チャンピオンでは無い人には、興味がないのです。

それが怖くて、結果を出し続けないといけない、苦しい、そして不自然な人生が続くのです。

 

逆の人もいます。

テレビ📺をみていたら、ある遅咲きの役者さん、名前は忘れました。。

が、テレビのインタビューに答えていて、こう言っていました。「若い頃は、辛くなると現実逃避して転職を繰り返しました。。それでも、成り上がりたくて、役者になって、一旗あげようと、東京で劇団にはいいりました。。そこでもやはり、辛いと現実逃避してしまう自分がいて、ある日、もう売れる事は諦めました。。諦めたら、売れる為の芝居を、不自然に感じ、もっと自然に、自分の好きな芝居をすれば良いんじゃないか? もう売れる事は諦めたんだし。

楽しく行こう、。芝居を楽しもうと。。。そしたら、お声がかかるようになったんです。」

 

これはまさに、畳の目を数えるですね?

この人は、役者で売れる夢、目標を持ち芝居をしていた。。でももう売れる事、夢、目標を捨て、今、ココの芝居に集中して、楽しんだ。。

それが無為無心、無為自然を産んだんです。

 

自然で作為のない芝居は、赤ちゃん👶や子犬の様に、周りの人を調和させてしまうんです。

それで、その劇団の芝居も無為自然となり、お客さんも、日常に無い、無為自然を感じたくて増えてくるんです。

無為自然とは調和力です。

無為自然とは、心と呼吸と身体が調和した状態です。

調和した国が、本当の平和です。。皆さんは、調和した国に住みたいでしょう?

 

調和は人を集めるんです。

畳の目を数えるとは、調和の心、身体を取り戻せと言う事。

肩の力が抜けた、自然な人のそばに行きたいでしょ?

 

負けず嫌いで、いつも必死で結果出そうとしてる人も魅力的かもしれません。。

でも、逆に、目標や夢、勝ち負けに捉われず、肩の力を抜いて、自然にあるがままに生きてる方が、調和力があって、魅力があって、人が自然に集まると言うこともあるんです。。

この場合、人に魅力があるのであって、世界チャンピオンと言う肩書きに興味がある人が集まっているのとは違うのです。

だから、結果を出す出さないに関わらず、人が集まって来ます。。

 

よく、特別な能力がある訳でもない子に、人が集まる事があるでしょう。。

僕の親友の、木俣くんがそうでしたね。。

 

いつもいじられている子なんですが、大人気なんです。

木俣くんがいると、和むんです。。調和力があるんです。。

聞き上手でもある。。

こう言う子は、実は見えないところで、無為に貢献してるんです。

何も、目に見える世界で、結果を出すことだけが貢献ではないんです。

 

皆さんも、畳の目を数える生き方。。それも検討してみよう。。

きっと、本当の自分の生き方が見えて来ます。。

そして、その自然な生き方が、人を自然と集めるでしょう。。

全力で生きると怪我します。。

スポーツがそうでしょ?

全力は不自然なんです。

腹八分目でいいんです。

結果、目標は二の次でいいんです。

大事な事は、自然な自分で生きる事。。それが調和を産むんです。

調和を産まない全力は、独善なんです。