合気武術を、習っていた頃の話。。
稽古の前にする準備運動は禁止でした。
理由は、いきなり切りつけてきた相手に、「ちょっと待って、準備運動するから」
と、待ってもらえるか?と言うことです。
ライオンも、いきなり獲物に向かって全力が出ます。
何故でしょう?
動物は、準備運動はしませんが、常にしてる事があります。。それは呼吸、あくび、伸びです。
全く準備運動してないわけではなくて、呼吸筋に連動している筋肉を、常に無意識に弾力ある状態を保っている訳です。それが、呼吸、欠伸、伸びです。
そう言えば、人間もやってますよねえ。。呼吸筋に連動している筋肉とは、重力筋です。姿勢を保持している筋肉です。。これは呼吸に連動しています。
呼吸が深い人は、姿勢がいいのはそのせいです。
欠伸や伸びも、重力筋を、無意識に動かす事によって、呼吸の深さをリセットしています。朝の欠伸は、集中しやすくする為、夜の欠伸は、寝やすくする為、呼吸をリセットします。
無意識に動かせる筋肉は、この呼吸に連動した筋肉です。
だから、武術では準備運動のいらない、呼吸に連動した無意識に動かせる筋肉を使う練習です。だから準備運動は無用です。
意識的に準備運動できる筋肉は、意識によってしか動かない力自慢筋です。
筋トレなども、意識的に鍛えれる筋肉は、意識的に動かせる、力自慢筋です。
よく鍛えられた身体は、一見綺麗で、姿勢がいいですが、呼吸が通っていません。
無意識筋が、動いていない為、すっとした綺麗な立ち方ではありませんね。
私が筋トレを進めない理由。。解って頂けたでしょうか?
若い頃は、筋肉で固めた身体もいいでしょうが、中年以降は、呼吸で立てる、しなやかな身体が必要です。呼吸が深く、呼吸に連動した筋肉が無意識によく動く身体であれば、充分整体です。
アフリカなどの原住民を見てください。。筋肉もなく、痩せているのに、我々より、力持ちだし、運動能力が高いですよね。。バランスなんです。
力自慢筋筋に頼らないで、バランスで動けるのです。。骨で動く、、コツを掴むです。
日頃行う体操でも、太極拳のような、ゆっくり呼吸に合わせて動く運動がいいでしょう。ゆっくり動く事が大事です。ゆっくり動くにはバランス感覚が必要だからです。
バランス感覚も、呼吸と連動しています。
呼吸の深い人は、バランス感覚がいい。。無意識にバランスをとる無意識筋がよく動く。。だから姿勢がいい。
いたずらに、筋トレでハアハアいったり、ストレッチで、身体をいじめるのは、若い頃の成功体験から来るのでしょうが、中年以降は、それはむしろ疲労となります。
見た目はマッチョでも、筋肉は疲労して、浮腫んだり、腫れたりしていて、その鍛えすぎた筋肉に引っ張られ、猫背になっています。
中年以降になったら、鍛えるから、整える。。に発想を変えていきましょう。