言葉を正確に話したり、聞いて理解したりするために、中心的役割をする脳の部分があります。
今回のお話は、脳のどの部分が言葉と大きく関わっているのかについてお話してみたいと思います。
脳には言語に関わる部位があり、その部位を「言語中枢」といいます。
成人の言語中枢は右利きで95%以上、左利きの人は70%以上が左大脳半球にあるといわれています。

言語中枢は、ブローカ中枢とウェルニッケ中枢に分かれます。ブローカ中枢は言葉を発する機能であり、ウェルニッケ中枢は話し言葉を聞いて理解するための機能と考えられています。
たとえば、言葉を聞いて理解するには左脳にあるウェルニッケ中枢という感覚性の言語野を使いますが、話すときはブローカ中枢という運動性の言語野を主に使います。
※言葉を理解するためのウェルニッケ中枢

耳から入った言葉は聴神経を経て聴覚中枢にたどり着き、ウェルニッケ中枢に伝達されます。そこで言葉を理解しています。
人の言う言葉の理解のみではなく、自分の頭の中の考えを言葉として組み立てることもおこなわれています。
※言葉を発するためのブローカ中枢

話そうとするときは、まずはウェルニッケ中枢が話し言葉の元となる文章の構成をおこない、弓状束という神経経路を経由してブローカ中枢に伝達されます。
ブローカ中枢は話すために必要な運動を発語器官の筋肉に伝達し、言葉として発します。その間、ウェルニッケ中枢は発話に関わる筋肉の動きを監視し、言葉が正しく伝わっているかどうかを確認します。
これら言語に関わる中枢や周辺領域が損傷を受けることによって、”失語症”を発症します。脳[1]