心が風邪をひいたなら

川村整体ブログ 

慌てる乞食は貰いが少ない。

子供の頃から、慌てる乞食は貰いが少ない。。とか、残り物に福がある。。なんて言葉を親に教えて貰っていたし、子供の頃でも、慌てて何かを得ようとする友人を、からかう為に、この言葉を使っていた記憶があるが、本当の意味を理解していたわけでもなく、本当は自分が欲しいものを、慌てるタイミングが遅れて、友人に奪われた妬みとして使っていた様に思います。

 

しかし、年齢を重ねるにつれ、大人になる。。という事は、慌てず、待てる様になる事。。または、相手の立場に立ち、譲ってやれる心を持つ事。。

それが心の熟成だと。。最近特に思います。。

私達は黄色信号で止まれるでしょうか?

渋滞中、合流の車、🚙、車線変更の車に、スピードを落として気持ち良く譲ってあげられているのでしょうか?

1分でも、早く目的地に着きたい。。という自分の思い通りを、実現する為、心はいつも余裕なく、じぶんさえよければ良い。。と、いう態度です。

 

東京に就職して、車で首都高などを走ると、合流地点で、ほぼ確実に道を譲ってくれる事に驚いた経験のある人は多いと思います。。

特に愛知県の名古屋は酷いでしょ?

東京では、確実に譲ってくれる文化に触れ、とても気持ちいい事から、自分もそうする様になる連鎖があります。。

結果。東京の首都高は、譲り合いの高速道路です。。

 

私達の人生。。自分の欲望、自分の思い通りに、誰よりも早く到達する事が、自分の幸福実現の早道である。。そう思い込んで生きている事にも気づいていません。

でも、本当の幸福とは、慌てる事からは得られない物。。焦る事からは得られない物です。。

仮に、焦る事で、慌てる事で得られた幸福は、本物ではなく、時と共に消えてしまう物です。

それで、また慌てて得ようとする。。その繰り返し。。

キリがない奪い合いなのです。

僕には、シャボン玉を追いかけて掴んで割れたら、また次のシャボン玉を追いかけている。。

そんな風に見えるのです。

 

私達は、待ってやる事、譲ってやる事。。それは言い換えれば、相手の立場を尊重している。。という事ですから、そこに調和。。調和こそ、合う事であり、愛だと思うのです。

 

私達は、待つ事、譲ってやる事で、自分の幸福が減ると思っているのです。

だから譲らない、、待たない。。

でも違うのです。。

例えば、僕は、整体的技術や情報を惜しみなく公開しています。。

僕のブログを見て、参考にして取り入れている同業者もいると思うし、取り入れて欲しいから公開しているのです。。

譲っているのです。。

 

譲る事で、世の中の治療家は、正しい施術ができる様になる。。

それは、僕の喜びであり、他の整体院の喜びであり、お客さんの喜びでしょう?

そう思って大公開しているのです。

 

お客さんにもこうすれば簡単に治るんだ。。という方法をいろいろ惜しげもなく、譲っているでしょう?

言わない方が、僕を頼りにする人が増えて僕は儲かるんじゃないですか。企業秘密にとけば、川村先生にしか治せない。。と、思わせておけば。。

でも、そういう嘘の心で得たお金は、消えてなくなる偽物です。

 

僕が治してしまえば早いかもしれんが、自分でやらせて、自分で自分の体を理解し、自分で自分の体を元気にできる人になって欲しい。。当院のやり方です。

歩き方を教えるのもそうです。体操を教えるのもそうです。

できる様になるまで待ってあげる。。できるまで教えてあげる。

急がば回れ。。

 

首都高の話。。川村整体のやり方の話。。

同じです。譲る事、待つ事。。それが回り回って、自分の持ち分が減るどころか、自分にも予期せぬ宝が帰ってきて、win、win、winという三位一体の調和。。愛が生まれる。。

その愛は、慌ててシャボン玉を掴もうとする物とは違い、最初からある調和の世界、愛の世界を、炙り出したのです。

幸福とは得ようとする物ではないという事です。

最初からある事に気づく事。思い出す事。

それには、調和の世界、その次元に入らないと見えてこない。。

焦る心、慌てる心を、捨てていく事です。

 

あっ。。いい思い出があります。

若い頃、パチンコの建設現場のガードマンのバイトをしたんです。

パチンコ屋は、期限までに出来上がらないと、遅れた日数分、賠償金が発生するのです。

だから、夜中も工事していたし、いろんな業者が出入りして、皆、最初は自分の仕事を早く終わらせたいから、場所取りで、業者同士で毎日喧嘩です。。

僕も、自分勝手な業者と毎日口喧嘩。。

現場では、「熱いガードマン」というあだ名がついていました。

最初は嫌われていましたが、あいつがいるおかげで、スムーズに仕事ができてる。。

と、きづいてくれて、話しかけてくれる人が増えました。

 

喧嘩しながらでも、どんどん皆さん仲良くなってきて、いよいよ工事期限終晩になった時、ある業者が、間違えた工事をしている事を、監督に指摘され、全部やり直しになったんです。。その時、他の業者の目の色が変わって、自分の仕事も終わらせないといけない、焦る状況の中で、自分の会社の重機を貸すどころか、自分が重機を操り、手伝っているんです。

自分の仕事を後回しにしてです。

あの光景は美しかった。。

水道業者だったと思いますけど。。駐車場工事のやり直しを、自分の工事を後回しにして、全部とうとう終わらせてしまった。嫌な顔ひとつぜず。。

それで自分の仕事に戻って、徹夜で朝までやってました。。

僕は、その水道業者の心に惚れてしまいましてね。。

次の日、その人に話しかけたんです。。

「あなたは昨日、自分の仕事を後回しにして、駐車場のやり直しの仕事を、やってましたよね!そんな事なかなかできるものじゃないですよ!凄い、尊敬します」

そのおじさんは、ニコっと笑って、「そうか?当たり前の事だぞ」と言いました。。

でも嬉しそうでした。

 

そのパチンコ現場は最終的にとてもいい仲間となりました。。

終わってから、現場監督と、クレーン運転士と、鳶職の人とで、銭湯に行きましたね!